妻を帽子とまちがえた男。
何か詩のようなタイトルですが、神経学者オリバー・サックスによる脳神経に障害を持つ24人の患者について書かれたエッセイの一つで、音楽学校の先生だった男が、ある日、生徒が自分の目の前に来ても顔が全く認識出来なくなり、街では、消火栓やパーキングメーターが人に見え話しかけてしまう。最初は目が悪くなった思い、眼科に行くが異常は見つからず、今度は、妻に付き 添ってもらい脳神経科の病院に行って診察を終え、帰ろうと来る時かぶってきた帽子に手を伸ばした時、思わず妻の頭をつかんでしまう。。
他にも、サヴァン症候群と呼ばれる、映画『レインマン」の中でも描かれた、知的障害や自閉症を持つ人の中で数千年前の日付の曜日を瞬時に答えられたり、何か特別な分野に秀でた能力を持つ人たちや、コルサコフ症、トゥレット障害、パーキンソン病...
その中で、ある二人の兄弟患者について書かれた一文が自分にとっては印象深いものでした。
"二人のまわりには、ふしぎと満ち足りた雰囲気と、ある種の静かな安らぎが漂っていた。その安らぎを邪魔したり壊したりしたら悲劇を招きかねないほどだった。どれほど奇妙でおかしくても、これを「病的」と言ってはならない。われわれにはそう呼ぶ権利などないのである。"
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